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ユネスコ国際交流のつどい
カテゴリー 日本
3月15日、札幌ユネスコ協会国際交流研修委員会主催による「2026年ユネスコ国際交流のつどい」が、札幌市エルプラザで開催されました。

当日は子ども7名を含む28名が参加し、メキシコ生まれの講師であり札幌ユネスコ協会副会長の戸部謙ルイス氏をお迎えして、「マサ(トウモロコシ粉)から作るメキシコ家庭料理〈ソペス〉教室」が行われました。

本来、主催者である国際交流研修委員会委員長の児島充子氏が挨拶予定でしたが、けがのため欠席となり、副委員長の陶恵栄院長が司会および主催者挨拶を務めました。

メキシコの伝統料理(Traditional Mexican cuisine)は、2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。同じ年には「フランスの美食術(ガストロノミー)」や「地中海料理」も登録されました。

これらが評価された理由は、食事が単なる栄養摂取ではなく、集団のアイデンティティや共同体の絆を祝う社会的慣習として重要な文化であると認められたためです。

メキシコの伝統料理は、約7000年前にさかのぼるマヤ文明など先住民文化に根ざした食の伝統です。トウモロコシ、唐辛子、豆類を基盤とし、栽培から収穫、調理に至るまでの一連の文化が世代を超えて受け継がれてきました。

この登録は、食文化が初めてユネスコ無形文化遺産として認められた年でもあり、その後の「和食(2013年登録)」などの登録のきっかけにもなりました。

7000年の歴史を持つ食文化は、人類の歴史そのものでもあります。

食を通して他国を知り、共に料理を作り味わうことで、その国の文化や歴史を身近に感じることができます。そこには、文化交流を通じて平和を育むというユネスコの精神が生きています。

当日は戸部講師に加え、奥様とお姉様のお三人が十分な準備を整え、メキシコ家庭料理の基本である「マサ」の作り方を丁寧に教えてくださいました。

トウモロコシの原産地はメキシコであり、古くから主食として食べられてきました。紀元前7000年頃から栽培が始まったとされ、古代メソアメリカ文明(マヤやアステカ)では、トウモロコシは神から与えられた神聖な作物と考えられていました。

主食としてのトウモロコシには、「ニクスタマリゼーション」と呼ばれる伝統的な製法があります。乾燥トウモロコシを石灰水で煮てからすりつぶす方法で、栄養価を高めると同時に硬い殻を柔らかくし、消化を良くする知恵が込められています。この工程を経て生まれる生地が「マサ(Masa)」です。

マサを円盤状に焼き、縁を少し立ち上げて作る料理が「ソペス(Sopes)」です。そこに豆、肉、野菜、サルサなどを乗せて食べます。器の役割も兼ねたこの料理は、メキシコの家庭の朝食や市場、屋台の軽食として、中部メキシコで広く親しまれてきました。

また、世界的に有名なタコスも同じマサ文化から生まれた料理です。持ち運びやすく、何を乗せるか、何を包むかは家庭や地域によって自由に工夫されるという魅力があります。

参加者の皆さんは用意した「マサアリナ(トウモロコシ粉)から、実際にマサをこね、焼き、ソペスを作って味わいながら、メキシコの食文化を体験しました。最後には全員で感想を共有し、美味しさと楽しさを分かち合いました。

参加者の中には「昨年ロサンゼルスで食べたメキシコ料理はタコスでしたが、今日は自分で作ったソペスを食べることができ、想像以上に美味しくて感動しました」という声もありました。

食事は単なる栄養ではなく、文化と伝統の表現でもあります。

食を通じて文化を知り、人と人が交流することは、ユネスコの精神、世界の理解と平和にもつながります。

とても温かく、楽しい一日となりました。来年の集い、どの国も料理を登場しますか?期待します。

食は天地の恵み、
文化は人の知恵、
共に味わえば世界は一家となる。
2026-03-16