陶氏診療院

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施療後の感想にみる生命の調律― 未病学エッセイ ―「子宮筋腫」,「不整脈」,「糖尿病」
カテゴリー 陶氏療法
10月11日、秋の深まりを感じる土曜日。

忙しい一日の診療のなかで、40代の女性お二人からいただいた施療後の言葉が、静かに心に残りました。

午前の方は、道内で仕事に追われる日々の中、今年の健康診断で「子宮筋腫」と「不整脈」を指摘され、2月から再び通院を始められました。

今回が5回目の施療。背中の施療を終えると、「今日は全く痛くなかったです」と安堵の笑みを浮かべられました。気の流れが調い、からだ全体が呼吸を取り戻したように見えました。

午後の方は「糖尿病」と診断され、今年4月より施療を再開。月に数回の通院を続け、今回は三週間ぶりの再会でした。背中の緊張は強く、施療の途中では痛みもありましたが、終える頃には「スッキリした」と微笑まれ、声も明るく軽やかに変わっていきました。

中国医学では「痛は不通(つうはふつう)」といいます。痛みとは、気血の流れが滞った証(あかし)です。
人は日々の暮らしの中で、思いや悩みを積み重ね、無意識のうちに身体の流れをせき止めてしまうことがあります。施療とは、その滞りにそっと風を通し、再び自然のリズムと響き合わせる行いです。

生活が整えば、施療の痛みは薄れ、気の流れは滑らかになります。しかし、どのような状態の人にも共通しているのは、施療後に訪れる“すがすがしさ”です。それは、からだだけでなく、心の奥に閉じていた何かがほどける瞬間でもあります。

未病とは、病の前に心身を整えること。それは、自然の声を聴き、自分という生命のリズムに気づく道でもあります。定期的にからだを見つめ、自らの調和を保とうとするお二人の姿に、私は静かな感動と共に「いいね」と心の中でつぶやきました。
2025-10-12