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史跡めぐりバスツアー「アイヌの足跡をたどる」
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史跡めぐりバスツアー「アイヌの足跡をたどる」
カテゴリー 日本
6月22日、「財界さっぽろ」の社長であり、『開拓者の足跡を訪ねて』の著者でもある舟本秀男さんがガイドを務める、北海道内史跡めぐり日帰りバスツアー(登別・白老コース)に参加しました。
今回のテーマは「アイヌ」。出発と同時に、舟本社長による興味深いガイド講話が始まりました。最初に紹介されたのは、アイヌ語のローマ字表記を工夫し、『アイヌ神謡集』を著した知里幸恵さん(1903–1922)でした。私は彼女のことを初めて知りましたが、わずか19歳という若さで生涯を終えた彼女の功績に深く感動しました。
その後、知里幸恵さんが生まれた白老町にある「知里幸恵 銀のしずく記念館」を訪れ、知里森舎理事長の松本徹氏から詳しい解説を受けました。『アイヌ神謡集』が35のアイヌ語の物語を日本語に翻訳したものであることや、その価値について学びました。そして、翻訳された中国語版の『アイヌ神謡集』を記念として頂き、大変うれしく思いました。帰宅後にじっくり読みたいと思っています。
館内には知里幸恵さんの直筆の手紙や日記、アイヌ語のノートなどが展示されており、彼女の短いながらも意義深い生涯と、その偉業に直接触れることができました。
このツアーでは他にも、登別市郷土資料館、登別伊達時代村、仙台藩白老元陣屋資料館、そして最後にウポポイ(民族共生象徴空間)を見学しました。
アイヌ民族は狩猟を中心とした暮らしを営んでおり、厳しい北海道の自然環境の中で生き抜くため、地元では得られない米などの必需品は、他民族との交易を通じて調達してきました。小規模な集落を形成し、自然と共に生き、持続可能な社会を築いていたのです。開拓使が北海道に来る以前、アイヌ民族は平和で調和のとれた生活を送っていました。
『アイヌ神謡集』には、そんなアイヌの暮らしと北海道の自然が美しい言葉で綴られています。序文には、次のような一節があります。
「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は、真に自然の寵児、なんという幸福な人たちであったでしょう。」
「原始林の中に溢れる生命。森にも川にも数えきれない命が溢れ……アイヌたちは、自然界をカムイ(神)として尊び、祈り、泣き、怒り、喜び、まことに豊かな暮らしを送ってきました。」
「太古ながらの自然の姿も影薄れ、多くの民の行方もまた何処、時は絶えず流れる。いつかは二人三人で強い者が出てきたら、進むゆく世と歩を並べる日もやがて来ましょう。それは本当に私たちの切なる望み。明け暮れに祈っていることで御座います。」
アイヌ民族は文字を持たず、口承によって歴史や伝統を継承してきました。その民族の文化や精神を、初めてローマ字と日本語で記録した知里幸恵さんの業績は、日本だけでなく世界の文化遺産とも言えるものです。自然を愛し、優しい心を持つアイヌの人々の姿を伝えた彼女の功績に、心から敬意を表します。
なお、北海道大学を卒業した馬長城さん(2022年卒)は、2024年8月に北京で中国語訳の『アイヌ神謡集』を出版予定です。知里幸恵さんの偉業と、アイヌ文化を中国の人々に紹介してくださることに、深く感謝しています。
今回のツアーと『アイヌ神謡集』との出会いを通じて、私はますますアイヌ民族に興味と敬意を抱くようになりました。
今回のテーマは「アイヌ」。出発と同時に、舟本社長による興味深いガイド講話が始まりました。最初に紹介されたのは、アイヌ語のローマ字表記を工夫し、『アイヌ神謡集』を著した知里幸恵さん(1903–1922)でした。私は彼女のことを初めて知りましたが、わずか19歳という若さで生涯を終えた彼女の功績に深く感動しました。
その後、知里幸恵さんが生まれた白老町にある「知里幸恵 銀のしずく記念館」を訪れ、知里森舎理事長の松本徹氏から詳しい解説を受けました。『アイヌ神謡集』が35のアイヌ語の物語を日本語に翻訳したものであることや、その価値について学びました。そして、翻訳された中国語版の『アイヌ神謡集』を記念として頂き、大変うれしく思いました。帰宅後にじっくり読みたいと思っています。
館内には知里幸恵さんの直筆の手紙や日記、アイヌ語のノートなどが展示されており、彼女の短いながらも意義深い生涯と、その偉業に直接触れることができました。
このツアーでは他にも、登別市郷土資料館、登別伊達時代村、仙台藩白老元陣屋資料館、そして最後にウポポイ(民族共生象徴空間)を見学しました。
アイヌ民族は狩猟を中心とした暮らしを営んでおり、厳しい北海道の自然環境の中で生き抜くため、地元では得られない米などの必需品は、他民族との交易を通じて調達してきました。小規模な集落を形成し、自然と共に生き、持続可能な社会を築いていたのです。開拓使が北海道に来る以前、アイヌ民族は平和で調和のとれた生活を送っていました。
『アイヌ神謡集』には、そんなアイヌの暮らしと北海道の自然が美しい言葉で綴られています。序文には、次のような一節があります。
「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は、真に自然の寵児、なんという幸福な人たちであったでしょう。」
「原始林の中に溢れる生命。森にも川にも数えきれない命が溢れ……アイヌたちは、自然界をカムイ(神)として尊び、祈り、泣き、怒り、喜び、まことに豊かな暮らしを送ってきました。」
「太古ながらの自然の姿も影薄れ、多くの民の行方もまた何処、時は絶えず流れる。いつかは二人三人で強い者が出てきたら、進むゆく世と歩を並べる日もやがて来ましょう。それは本当に私たちの切なる望み。明け暮れに祈っていることで御座います。」
アイヌ民族は文字を持たず、口承によって歴史や伝統を継承してきました。その民族の文化や精神を、初めてローマ字と日本語で記録した知里幸恵さんの業績は、日本だけでなく世界の文化遺産とも言えるものです。自然を愛し、優しい心を持つアイヌの人々の姿を伝えた彼女の功績に、心から敬意を表します。
なお、北海道大学を卒業した馬長城さん(2022年卒)は、2024年8月に北京で中国語訳の『アイヌ神謡集』を出版予定です。知里幸恵さんの偉業と、アイヌ文化を中国の人々に紹介してくださることに、深く感謝しています。
今回のツアーと『アイヌ神謡集』との出会いを通じて、私はますますアイヌ民族に興味と敬意を抱くようになりました。

2025-06-25