陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・新連載・vol.23 百尺竿頭一歩を進む
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高陽社の月間コーヨーライフ2022年二月号に、「ドクター陶の健康コラム・新連載」。内容を紹介します。

百尺竿頭一歩を進む

中国のことわざに、「百尺竿頭更新一歩」という言葉があります。日本でも「百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)一歩を進む」と言います。

「百尺竿頭」とは、約30mもの長さの竿の先端。転じて、仏教で修行を積み、努力にまた努力を重ね、最高の境地に達することを指します。

そして「一歩を進む」は、その到達し得た境地から、さらに努力して前進することを意味します。

私は子供の頃、親からいつも、このことわざで励まされてきました。五十歳を過ぎた頃、なぜ人々はそこまでして高い所を目指すのだろう、と考えるようになりました。

山に登ると、頂上に行きたくなります。頂上にたどり着いたら、視野が一気に広がり、より高い山が目に入ります。するとまた、次の目標が生まれます。その営みは永遠に続くかのように思えます。終わりなき高い目標はなぜ生まれるのでしょう?

その答えは、人間とは進化する生き物だからではないでしょうか。現状に満足せず、絶えず前進を続ける人は、進化をしているのです。

物質的な限界が訪れても、人間は物質を超える武器をもっています。それはすなわち、人間の想像力です。瞑想をし、想像力を働かせて、物質の壁を越える人たちがいます。その結果、新たな世界が見え、より高い目標を得ることができるのです。

「百尺竿頭」はまだ見えている世界です。しかし、そこからさらに「一歩を進む」と、未知の世界があります。この世界は人々の想像に任されていて、物質の世界から、非物質世界へと誘われる言葉の裏に、見えないけれども、宇宙と繋がる赤い糸が存在するかのように思います。

また、これを親から子どもへ未来への励ましの言葉として紐解くと、未来とは「無限」の世界です。見えることのない無限の世界に到達するには、想像力以外にまだ何かあるのかもしれないです。親の枠を突破し、子孫が発展していくことは、人類の進化の真理ではないでしょうか。
2022-02-06