陶氏診療院

アクセスカウンター


▼バックナンバー
過去ブログはこちらから
ドクター陶の健康コラム・新連載・vol.5 脳と糖質と主食
カテゴリー 
高陽社の月間コーヨーライフ2020年八月号に、「ドクター陶の健康コラム・新連載」。内容を紹介します。

昨年、NHKスペシャル「食の起源」という番組が放送されました。

「健康長寿をもたらす食に関する情報があふれかえるなか、食が引き起こす病は増えるばかり。何をどのように食べたらいいのか。答えは人類の祖先と食との壮大な歴史に秘められていた!」との番組案内を見て、なるほどと思いました。人類の祖先の食と健康と病気を理解すれば、何を直すべきか、何を守るべきか分かるでしょう。

第一回目の放送は私たちの主食「ご飯」でした。他の動物と違い、人類は糖質を摂取できたことで、大脳を進化させました。でんぷんをブドウ糖にする調理は人間にしか出来ません。しかも「米」を食べる私たちアジア人は、唾液の中に、でんぷんを糖に分解するアミラーゼ遺伝子をより多く持つようになったのです。これによって自然と肥満や糖尿病の予防をしてきました。

糖質の食べ過ぎは勿論よくありませんが、現代の行き過ぎた糖質制限のように食べなさ過ぎるのも危険です。一番よいのは、糖質の割合が摂取カロリー全体の50〜55%になることだそうです。ちなみに西洋医学は、この糖質の量の研究までで、質の問題には至っていません。

中国医学の古典「黄帝内経」の処方に従って、私はぜひ玄米を主食とするようお勧めしています。白米という字は「粕(かす)」と書きます。せっかくのお米から大事な栄養分を取り去ってしまっては非常に勿体ないです。
また、糖質は加工すると酸化することにも注意が必要です。さらに油や砂糖を加えて加熱するとどうなるでしょう。健康の敵にまわります。

中国の俗語に「女大十八変」(女性は成長するにつれ容貌や性格が様々に変化する)とあります。綺麗になるだけでなく、性格や習慣が変わる場合もあるでしょう。私の娘は今年二十歳。今まで玄米ご飯を食べなかったのですが、最近は白米に雑穀を入れたり、野菜を入れた味噌汁を自分で作るようになりました。

「女大十八変」、本当でした。次の変化も楽しみにしています。
2020-08-02