陶氏診療院

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士農工商
カテゴリー 陶氏療法
「士農工商」(しのうこうしょう)は、古代中国で生まれた儒教(紀元前の哲学者・孔子の教えをもとにした学問)の中で使われた言葉です。もともとは「すべての人々」や「四民」という意味を持っていましたが、後に身分制度を表す言葉へと変化したと考えられています。この身分制度では、最も高い位置に「士」(武士)、その下に「農」(農民)、「工」(職人)、「商」(商人)が続くとされています。

この制度は、中国の封建社会を管理するために生まれたもので、約2000年の間、封建社会の中で一定の意味を持ち続けました。

ただし、「士農工商」を単なる身分制度として見るより、それぞれが社会の中で果たす役割を表したものと捉えるほうがわかりやすいです。それぞれには固有の特徴があり、社会の秩序が保たれるためには、その役割の順序が重要視されました。

トランプと「商人」の役割:023年1月20日、アメリカの商人であるドナルド・トランプ氏が再び大統領に就任しました。ビジネスで大成功を収め、大きな富を築いた彼の代表的な著書『トランプ自伝 アメリカを変える男』(Trump: The Art of the Deal)は、商人としての才覚やビジネス成功の秘訣を知るうえで参考となるものです。

しかし、トランプ氏が一期目の大統領時代には政治家としては未熟な部分も多く、二期目への挑戦ではバイデン大統領に敗北しました。今回、再び挑戦に成功したトランプ氏は政治家としての経験を積んだかもしれませんが、根本的な商人的思考は変わっていないと言えるでしょう。

社会運営で最も危険なのは、「素人が専門家の仕事に手を出す」ことです。その結果はしばしば失敗に終わります。トランプ氏のビジネス的な手法はアメリカでは一定の効果を発揮しているようですが、中国とのビジネスにおいては失敗が続きました。この経験を踏まえれば、政治の場でも中国との対立を避け、協力に基づく政策が求められるでしょう。再び経済戦争のような対立を引き起こしても、勝算は低いと考えられます。

コロナ禍と政治の教訓:2019年から2022年にかけての新型コロナウイルス流行では、医療問題が政治化された結果、多くの被害者が生まれました。この教訓を生かし、今回のトランプ政権が政治問題を経済化するような事態を避け、多くの犠牲を防げることを願っています。
2025-01-24