陶氏診療院

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春の山菜展
カテゴリー 生活の知恵
広報さっぽろ2024年4月号に、「春の山菜展」の案内があり、診療を早めに終えて急いで北海道立衛生研究所薬用植物園(北区北19条西12)に向かいました。

北海道では山菜の採取シーズンがやってきました。毎年、有毒な植物による食中毒事故が発生しています。山菜の専門家でさえ中毒になることがあり、北海道の有毒植物についての知識は非常に重要です。日本の三大毒草はトリカブト、ドクウツギ、ドクゼリです。

私は山菜の中でも特に行者ニンニクが好きです。しかし、最近では行者ニンニクと間違いやすい有毒植物であるイヌサフランによる食中毒事故が報告されています。平成30年には、自宅の庭に生えていたイヌサフランを行者ニンニクと間違えて摂取した結果、夫は吐き気を催しましたが命は助かり、妻は命を落としました。

行者ニンニクは強いニンニク臭があり、茎は赤紫色をしています。一方、イヌサフランは球根を持ち、匂いはなく、茎の色は青いです。両者を見比べると識別が可能です。

もう一つよく間違えられる組み合わせは、ニリンソウ(二輪草)とトリカブト(鳥兜)です。花が咲いている時には間違いがありません。ニリンソウを花の茎を摘むときは非常に取れやすいです。ニリンソウは一株に葉っぱを一枚で二つの花を付け、根は横に伸び、まばらにひげ根を出します。一方、トリカブトは葉っぱが三枚に分かれ、根は縦に長くカブのような形状をしています。ニリンソウの茎を手で摘むことで、その違いを感じることができます。

北海道立衛生研究所の研究員による丁寧な解説は非常にわかりやすく、大変勉強になりました。
2024-05-02