陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.43 食の次元
高陽社の月間コーヨーライフ2023年十月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

食の次元

「食」という字は「人」に「良」いと書きます。まさにその通りで、私たちは人に良い物を食すべきです。では、良いの基準は何でしょうか?2千年前の医学の巨書「皇帝内経」(こうていないけい)に、最高の食とは「種(生きているもの)」と書かれています。

これは食の"次元”に関わることです。いま、食は「五大栄養素」のバランスが大切と小学校5年生で習います。「五大栄養素」とは炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルです。さらに食物繊維も必要とされていますが、考えてみると肝心の抗酸化物質や水が抜けていると言えるかもしれません。

また、健康な体づくりを戦略と戦術の視点から見ると、不完全な戦術はあっても、大事な戦略がない状態と言えるのではないでしょうか。つまり戦略とは、「皇帝内経」にあるように、命を支える大事なエネルギーは命だということです。

自然界の動物を見ると、命のある食材が一番の好物になります。もちろん、自然界の動物が加工食品を食べることはありません。

このように現代医学では、栄養について低い次元で理解して維持しています。結果的に、自然界の動物と比べ、自然寿命に至るレベルで人間は負けているのです。自然界の動物は、敵に襲われるなどしない限り、ほぼ自然寿命までたどり着きます。動物園の動物は、医療と餌を安定的に提供したら、自然寿命を越えることすらあります。しかし、人類の自然寿命は、遺伝子レベルでも、医学的研究でも、宗教や聖書においても120〜150歳といわれているのに、現代社会でそこに辿り着いた人はまだ、いないのです。

その事実を前にした時、我々は食をどう選択すべきか、勉強しないといけません。高次元の考えと発想に基づき、陶氏療法の食事法では、「生きているもの」を食べるという戦略と、陰陽の調和、季節との調和、食べ物(動物と植物)の調和、身土不二(しんどふじ)、一物全体、腹七分目、良く噛む、化学合成添加物を避けることの戦術を教えています。皆さんも食に付いて高い次元で考えていきませんか。
2023-10-11