陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.31 家事と長寿
高陽社の月間コーヨーライフ2022年十月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

家事と長寿

「家事をする人は健康寿命が延びる」。この研究結果が、アメリカのニューヨーク州立大学などの研究により、アメリカ老年医学会誌に発表されました。63〜99歳の6千人あまりの対象者のうち、白人アフリカ系、ヒスパニック系アメリカ人女性が30分軽度の家事(服をたたむ、掃除をするなど)をした場合、死亡率が12%下がりました。

もちろん男性にも効果があります。オランダのロッテルダム大学医学センターの研究によると、家事をする女性は3年、家事をする男性は1年、長寿になります。特に園芸をする男性は2.7年長生きするそうです。

中国人民解放軍総医院と中国科学技術大学の共同研究では、35〜78歳の1.3万人の都市生活をする男性を、関連要因もふまえながら調査しました。その結果、家事を毎日2時間以上する男性は、家事をしない男性より、糖尿病リスクが40%軽減することがわかりました。さらに体重、ウエスト、コレステロール値改善にも有効でした。家事の時間が2時間以内でも、糖尿病リスクは20%軽減しました。

これら各国の研究が示すのは、家事をすることは、費用対効果の面でみても、最高の「運動」だという事です。高齢者にとっては、ジョギングや登山などよりも適切でしょう。食べ過ぎの現代社会においては、骨格筋を収縮すること、基礎代謝を上げてエネルギー消費する活動は、健康と長寿に有益です。

さらに、洗濯や料理などの活動は、認知症の予防にも良いと言われます。犬と散歩、買い物するだけでも死亡リスクが下がります。家の掃除は心を安らかにし、1日のストレスやプレッシャーを解放。ドーパミン、ノルエピネフリン分泌が増えることで、幸福度が上がります。衣類や本棚の整理により、上肢筋肉が鍛えられ、清潔快適な住まい環境で心身ともリラックスができます。

家族と分担して家事を楽しくこなすことは、円満な家庭づくりはもちろん、健康生活の秘訣ではないでしょうか。
2022-10-02