陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・新連載・vol.18 修行と修身
高陽社の月間コーヨーライフ2021年九月号に、「ドクター陶の健康コラム・新連載」。内容を紹介します。

修行と修身

中国の四書(ししょ)の「大学」*に、「修身斉家 治国 平天下」という名言があります。修身(しゅうしん)は第一です。人生の修行のためには、まず修身が必要です。修身ができなかったら、修行もできないでしょう。

修身の方法を、中国医学では十分に説明しています。中国の古典「黄帝内経」(こうていないけい)には、たった二十文字で、次のように修身について纏めてあります。

法干陰陽(自然陰陽リズムに調和)
和干術数(気功、運動、呼吸法等)
飲食有節(年齢、季節に合う食事を摂取)
起居有常(規則正しい生活リズム)
不作妄労(心、体、精力の過労予防)

心と身体、陽と陰のバランス。修身ができたら、修行もスムーズになるのです。

生まれた体は、母体から一生分のエネルギーを受け取っています。そのエネルギーは腎に貯蔵してあり、「腎気」という先天のエネルギーです。上手に使うと、一生最後まで幸せに生き、いわゆるピンピンコロリができます。

現代医学でも中国医学でも、人間は120歳まで健康で生きられるという説があります。先ほどの二十文字のうち、十六文字は先天のエネルギーについてです。残りの四文字「飲食有節」は、後天的に環境からもらうエネルギーです。

修身第一という人生成功の基本は、古代中国では子供の時から教えられてきました。しかし、現代教育では教えません。そのため先天の腎気を若いうちに過剰に失い、本来の正常な生命と健康がなくなってしまいます。新型コロナウイルスにも感染しやすく、命を落としやすくなると思います。

普段の健康養生の方法を、中国医学からぜひ学んで身につけていきましょう。お子さんやお孫さんにも、伝えていけると良いですね。

*「大学」は、儒教の経書の一つ。南宋以降、「中庸」「論語」「孟子」と合わせて四書とされた。
2021-09-05