陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・新連載・vol.8 小鳥の鳴き声、虫の音色
高陽社の月間コーヨーライフ2020年十月号に、「ドクター陶の健康コラム・新連載」。内容を紹介します。

小鳥の鳴き声、虫の音色

最近、USENを利用して自然の音を聴いています。すると、なんとなく朝は小鳥の鳴き声が合うし、夜は虫の音色が合う気がします。皆さんはどう感じますか?

私は小鳥の声を聴くと、春の朝のイメージが湧きます。なんとなく、1日の始まりの気分になります。私の診療院にはホームシアターの音響設備を入れており、患者さんにも聴いて頂いているのですが、「まるで森林にいるようだ」と褒められることもあります。

一方、夜になると私は1人パソコンの前で黙々とブログを書いたり、メールをチェックしたり、講演や授業内容の準備をしたり、時には好きな番組を見たりします。その時に虫の音色を聴いていると、他の作業や番組に全く干渉せず、気にもなりません。秋の夜の環境に溶けてくる雰囲気で、とても居心地よく感じるのです。

考えてみますと、音や鳴き声は、時間や季節感がはっきりしていますね。それに従うと何とも言えないほど心地よく、体調もよく感じられるのだと思います。

日本ではバブルの時期、大手の会社が自然のなかに、たくさんの診療施設を建てました。山の奥や海のそば、人が少なく美しい自然環境に囲まれたところ。都会の光と喧騒から離れた、そうした場所は、地球がもっている自然治癒力が高い場所だと思います。そのような環境で療養をすれば、自然と調和し、心身が健康に戻るのも、また自然なことでしょう。

古代中国医学では、音楽の「楽」がく、は医療後の「楽」らくと同じ意味で、治療に使う「薬」も「楽」に「草」を足して生まれた漢字だと言います。

中国では音楽を取り入れた新しい中国医学の研究をしている方がいます。音楽が現代医療の薬となるなら、自然の音は、伝統医療の治癒力と言えるでしょう。今すぐ自然豊かな場所に行くことが難しい大都市に住んでいる方も、すぐにできることとして、小鳥や虫の声の音色を聴くなど、自然の一部を生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか?
2020-11-11