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人類の睡眠はいつ何時間取るか? 3-2
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西洋医学では、その問題が明確に出ていないけど、四千年の智恵がある中国医学の説明ではどうでしょうか?

中国医学では、正常な健康を維持するため、陰陽のバランスを取るとよい。

陰陽の話は簡単に言うと、陽は働く、陰は休みだ。再生は陽としたら、破壊は陰になる。子どもは再生細胞が大量に必要だから、良く寝る必要がある。壮年は安定した身体があるから、再生と破壊のバランスが取れるほどで、子供より多く寝なくてもよい。ぞの説明を理解すると、睡眠を取ることは再生をするためだ。

人類が新陳代謝を維持するため、最も必要な部分は造血だ。受精卵から生まれて、大人になるまで、造血の場所は変更する。

胎生期における造血は卵黄嚢での一次造血に次いで、生涯の造血を担う造血幹細胞が大動脈、生殖器、腎臓を形成する、AGM(Aorta Gonad Mesonephros)領域で発生し、二次造血として胎児肝、骨髄へと移って造血の中心が変遷する。

1)胎生期の造血は胎生2週齢前後に胚外の卵黄嚢に産生された原始赤血球は血管を通して胎児に運ばれる。
2)胎生1~2ヶ月から肝臓の造血が始まり、成熟赤血球が増え、白血球、血小板の前駆細胞も現れ、次いで脾臓、リンパ節の活動も始まりリンパ球の生成が起こる。肝・脾で造られる赤血球は無核の赤血球に成熟し、主として胎児ヘモグロビン(HbF)をもっている。
3)胎生3~5ヶ月から骨髄での造血が始まり、7~8ケ月で肝・脾造血を上回る。胎児の成長に伴い骨髄 やリンパ組織での造血が盛んになると肝・脾の造血は次第に縮小していく。

生後4歳くらいまでは全身の骨髄で行われる。造血が行われる骨髄は赤色髄とよばれ、成長とともに脂肪細胞のため黄色髄へと変化していく。

出生後に脾臓、肝臓、リンパ節などの臓器で赤血球系、顆粒球系、巨核球系の細胞が産生される状態を髄外造血いう。主として脾臓での造血であるが、骨髄以外での造血が生じると末梢血中に赤芽球や幼若細胞が出現する頻度が高くなる。(平野正美ほか.ビジュアル臨床血液形態学.南江堂.2004より)

胸骨、腸骨、大腿骨などの骨は造血機能以外に、骨格として普段は身体の活動姿勢を支えている。人は起きている間、身体を支える機能を優先して、骨は繋がっている筋や腱に引っ張られている。骨の中の骨髄の造血機能は発揮できない。睡眠すると、骨休みになり、骨の身体を支える機能が休みになると、やっと造血機能を開始する。

それを理解すると、睡眠は造血するためと納得するでしょう。
2018-07-18